🌿疲れが抜けないのは「食べ方」のせい?|お盆明けの体を整える栄養リセット術
お盆休みが明け、運動の再開に気合を入れてみたものの──
「なんだか体が重い」「いつもより疲れやすい」「思ったほど動けない」
そんな感覚に覚えはありませんか?
実はこの時期、内臓疲労・栄養バランスの乱れ・水分不足などが重なり、パフォーマンスが落ちやすい“見えない疲労蓄積ゾーン”に突入している可能性があります。
この記事では、夏の疲れを長引かせないために、運動の質を支える“食べ方”の見直しポイントを解説します。
日々の食習慣を少し整えるだけで、疲れにくい体・回復しやすい体に変わります。秋のステップアップに向けて、今こそ“内側からの整え”を始めましょう!
💪 疲れを抜く!パフォーマンスを支える5栄養素
まずは、疲労回復・パフォーマンス維持に欠かせない基本栄養素を確認しましょう。以下の5つは、スポーツ栄養の土台です。
栄養素 | 主な働き | 含まれる食品例 |
---|---|---|
タンパク質 | 筋修復・免疫維持 | 鶏むね肉、豆腐、鮭、卵 |
鉄 | 酸素運搬・持久力維持 | 赤身肉、レバー、ひじき |
ビタミンB群 | エネルギー代謝サポート | 豚肉、納豆、玄米、バナナ |
ビタミンC | 抗酸化・鉄の吸収促進 | ピーマン、キウイ、ブロッコリー |
マグネシウム | 筋肉のけいれん予防・神経の安定 | ナッツ類、海藻、豆類 |
運動をしている人にとって、これらは“補助的”ではなく“主軸”。
疲れが残る、伸び悩む、ケガしやすい…そんなときはまず、「これらの栄養が足りているか?」をチェックしましょう。
☀️ お盆明けは“隠れ脱水”と“食欲低下”に要注意
「暑さがピークを越えた」と感じるこの時期。でも実際のところ、気温・湿度・紫外線のストレスはまだまだ続いています。
加えて、冷房の効いた室内で過ごす時間が長かったり、冷たい飲み物やアイスの摂りすぎで、胃腸の機能が落ちている人が多いのが現状。すると…
- 食欲がない
- 水分は摂っているのに、疲れが抜けない
- 朝から頭がぼーっとする
…といった症状が現れやすくなります。
これはいわゆる“隠れ脱水”や“内臓冷え”によるパフォーマンス低下。
夏の終わりを乗り切るには、「冷やしすぎた体を温め直す」ことと、「吸収しやすい栄養で回復力を高める」ことが鍵です。
🍴 夏の疲れを引きずらない「回復食」の考え方

体が「冷えて」「疲れて」「吸収力が落ちている」ときは、以下のポイントを意識した“回復食”がおすすめです。
- 🔸【1】温かいものを食べる
→味噌汁・スープ・煮物などで胃腸をいたわる - 🔸【2】発酵食品で腸を整える
→納豆、味噌、ヨーグルト、ぬか漬けなど - 🔸【3】粘り系野菜で粘膜サポート
→オクラ、長芋、なめこ、モロヘイヤなど - 🔸【4】クエン酸で疲労物質を分解
→梅干し、酢の物、レモン汁など
たとえば、「豚しゃぶ+ごはん+冷や奴+わかめスープ+梅干し」などは理想的な“夏疲れケア献立”。
胃腸にも優しく、必要な栄養素をしっかり補えます。
🕖 この時期こそ「夜の食べ方」が明日の体を変える
夕方以降、気温が下がりやすくなるこの時期。すると交感神経が過剰に働き、自律神経が乱れやすくなります。夜にお腹が冷えたり、食欲が落ちたりするのはこのせいです。
だからこそ「夕食の質」が重要。睡眠中の回復をサポートするような食事を心がけましょう。
✅夜のおすすめ献立例
- 鯖の味噌煮+玄米ごはん+オクラのおひたし+豆腐とわかめの味噌汁
- 鶏むね肉の蒸し野菜添え+ごはん+納豆+梅干し入りの具沢山スープ
「一汁二菜」スタイルを意識すると、満腹感がありながらも胃腸に優しく、回復力も高まります。
🔁 夏疲れを「長引かせない」ための栄養週間ルール
お盆明けは、“無理をしてしまいがち”なタイミングでもあります。ここで疲労が蓄積すると、9月に入ってからガクッとパフォーマンスが落ちてしまうことも。
その予防のために、以下のような“ルール化”が効果的です。
- 🔹【1日1回】温かい汁物をとる
→ 胃腸を整え、栄養吸収を助ける - 🔹【週2〜3回】魚メニューを入れる
→ DHAやEPAが回復力と集中力をサポート - 🔹【間食に】回復系の軽食を活用
→ バナナ、ヨーグルト、甘酒、ゆで卵など
「今日は疲れたな」と感じる日ほど、“甘いものに逃げる”のではなく、“体をいたわる栄養”でリカバリーを。
✅ まとめ|“夏の終わり”を制する者が、秋に伸びる!
お盆明け、ただ頑張って練習量を戻すだけでは、思うように成果は出ません。
「どれだけ練習したか」よりも、「どれだけ回復できたか」が、次のステージのカギになります。
まだ夏の疲れが残っているこの時期だからこそ、“食べ方の質”を高めるタイミング。秋にコンディションをしっかり整えておきたい人は、今こそ“栄養の見直し”を始めてみましょう。
- 第1回|お盆明けは疲労のサインを見逃すな!
- 第2回|今やるべきは追い込みじゃない!|お盆明けこそ「回復週」のススメ
- 第4回|睡眠&自律神経の整え方【準備中】
📚 参考文献・出典
- 日本体育協会(現・日本スポーツ協会)公認スポーツ栄養ガイド『スポーツ活動中の栄養・水分補給のガイドライン』改訂版(2019)
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html - Clark, N. (2013). Nancy Clark’s Sports Nutrition Guidebook (5th ed.). Human Kinetics.