🍂 残暑・秋バテに効く!運動を続けるための補助栄養と旬の食材活用法
10月に入り、朝晩は涼しくなってきたはずなのに「体が重い」「気持ちはあるのに走れない」「食欲が戻らない」──そんな声をよく聞きます。これはいわゆる「秋バテ」です。
夏の間に受けたダメージが残ったまま、さらに昼夜の寒暖差や生活リズムの変化が加わり、自律神経や消化器の機能が乱れてしまう状態。放置するとトレーニングが途切れる・パフォーマンスが低下するなどスポーツ習慣への悪影響も避けられません。
だからこそ必要なのが、食事での栄養補給に加えて、不足を埋める「補助栄養」(サプリメントや機能性食品)の活用です。本記事では、秋バテの原因と、運動を継続するための「補助栄養 × 旬の食材」の取り入れ方を解説します。
※お盆明けの広義の疲労回復・栄養補給については先行記事も参照してください。
🧠 秋バテの正体|夏の疲労を引きずるメカニズム
秋バテは単なる「夏バテの延長」ではなく、いくつかの要因が重なって発症します。
1. 自律神経の乱れ
- 冷房と外気の温度差で自律神経が酷使される
- 発汗と体温調整の繰り返しでエネルギー消耗
- 秋に入っても“調整機能”が回復していない
2. 胃腸の疲労
- 夏の間の冷たい飲み物やアイス → 胃腸の働きが低下
- 栄養を摂っても吸収効率が落ちる
- 食欲不振につながり、エネルギー不足へ
3. 水分・ミネラル不足
- 汗で失われた水分・電解質がリカバリーしきれない
- こむら返りや脱力感として残りやすい
こうした状態では「頑張ろう!」という気持ちがあっても体が動いてくれません。つまり秋バテは、“運動を続けたい人にとって最大の敵”です。
🥗 運動を続けるための“旬の栄養源”
秋は「実りの季節」。栄養価の高い旬の食材を味方につけることで、自然に体を整えることができます。
🍠 さつまいも|安定したエネルギーと疲労軽減
- ゆっくり吸収される炭水化物 → 持久力のあるエネルギーに
- ビタミンB1が糖代謝を助け、疲労感をやわらげる
- おすすめの摂り方:練習前の軽食(小さめの焼き芋/蒸し芋)や朝食に
🍄 きのこ類|ビタミンDで免疫力と骨を守る
- 日照時間が減る秋に不足しがちなビタミンDを補給
- 食物繊維が腸を整え、消化吸収を助ける
- おすすめの摂り方:味噌汁・スープ・ソテーで毎日少量ずつ
🐟 秋鮭|タンパク質+オメガ3で修復力アップ
- 良質なたんぱく質が筋肉の合成をサポート
- ビタミンB6がタンパク質代謝を促進
- EPA・DHAが炎症を抑え、関節や血管を守る
- おすすめの摂り方:焼き鮭・ちゃんちゃん焼き・ホイル焼き
🍎 りんご|クエン酸とカリウムで疲労とむくみ対策
- クエン酸が乳酸代謝を助け、疲労回復を促す
- カリウムが体内の水分バランスを整え、だるさやむくみを改善
- おすすめの摂り方:そのまま・コンポート・スムージー
💊 食事で足りない部分は“補助栄養”で支える
いくら旬の食材が豊富でも、日々の忙しさや食欲の波で必要量をカバーしきれないことがあります。そんなときに頼れるのが「補助栄養」です。
ビタミンB群
- 糖質を効率よくエネルギーに変換
- 「ご飯は食べているのに疲れる」タイプに有効
- 目安:総合B群1日量の目安に沿って。練習日を中心に
マグネシウム
- 神経・筋肉の働きをスムーズにし、こむら返りを予防
- 目安:食事で不足しやすい人はサプリや経皮(入浴塩)も活用
クエン酸
- 疲労物質の代謝を助け、翌日の疲労残りを防ぐ
- 目安:粉末やドリンクで運動後や夕食時に
🧭 運動を継続するための摂り方の工夫(タイミング別)
- トレーニング前:さつまいも(小)+ビタミンB群 → 安定したエネルギー供給
- トレーニング後:秋鮭料理+マグネシウム → 筋肉修復と回復促進
- 日常ケア:りんごや梅干し+クエン酸 → 自律神経リセット&だるさ軽減
「運動と食事・補助栄養」を結びつけることで、単なる健康維持ではなく“動き続けられる体”をつくれます。
🍽️ かんたん献立アイデア(秋の旬 × 継続サポート)
- 朝:さつまいも+りんごヨーグルト/B群サプリ
- 昼:きのこたっぷり味噌汁+雑穀ごはん
- 夜:秋鮭のホイル焼き+海藻サラダ/就寝前にマグネシウム入浴
- 運動後:鮭おにぎり+クエン酸ドリンク
🧩 よくあるつまずきと対処法
- 食欲が出ない:温かいスープ・味噌汁にきのこや根菜を。噛む量を減らしても栄養は入る
- 夜の脚つり:夕食〜就寝前にマグネシウムを補う。水分・電解質も見直し
- 体重が増えるのが不安:さつまいもはトレ前(少量)を徹底。揚げ物より蒸し・焼きで
🌿 まとめ|秋バテを防ぎ“動ける体”をキープしよう
- 秋バテは「夏の疲労の持ち越し」+「気温差ストレス」で起こる
- 旬食材(さつまいも・きのこ・鮭・りんご)でエネルギー・免疫・修復を底上げ
- ビタミンB群・マグネシウム・クエン酸の補助で不足を埋めれば、疲労を持ち越さず運動を続けられる
疲れをリセットするのではなく、“動きを途切れさせない”栄養戦略。
残暑を乗り越えて、秋のトレーニングやスポーツを思い切り楽しみましょう!
📚 参考文献・出典
- Maughan RJ, et al. IOC Consensus Statement: Dietary Supplements and the High-Performance Athlete. Int J Sport Nutr Exerc Metab. 2018. PubMed
- Thomas DT, Erdman KA, Burke LM. ACSM/AND/DC Joint Position Statement: Nutrition and Athletic Performance. Med Sci Sports Exerc. 2016. PubMed
- NIH Office of Dietary Supplements. Thiamin (Vitamin B1) — Health Professional Fact Sheet. ODS
- NIH Office of Dietary Supplements. Magnesium — Health Professional Fact Sheet. ODS
- Crescioli C, et al. Vitamin D, exercise, and immune health in athletes. Nutrients. 2022. PMC
- StatPearls. Biochemistry, Citric Acid Cycle. 2024 Update. NCBI Bookshelf
※クエン酸(クエン酸回路の基質)はエネルギー代謝に関与しますが、食品由来・サプリ摂取の直接的なパフォーマンス効果は個人差が大きく、エビデンスは限定的です。持病や服薬がある場合は医療専門職に相談してください。


