第3/5回☀️日焼けはダメージだった!夏の紫外線と“皮膚パフォーマンス”
🧴「焼けて健康」じゃなかった? その“日焼け”が体を蝕む
夏のスポーツといえば、汗だくになりながら日差しの下で体を動かす爽快感。しかし、その肌、焼けていませんか?
「こんがり焼けた肌は健康的」といったイメージは、すでに過去の話。現代のスポーツ医科学では、日焼け=皮膚の損傷(炎症)であり、パフォーマンスや回復力、免疫機能にまで影響を与えることがわかってきています。
☠️ 紫外線がもたらす“目に見えない攻撃”
紫外線(UV)には主に UVA・UVB の2種類があり、それぞれに異なるリスクがあります。
- UVA(A波):肌の奥(真皮層)にまで到達し、肌のハリや弾力を壊す=老化促進
- UVB(B波):表皮に作用し、赤く腫れる日焼けや皮膚がんのリスクを増加
紫外線の浴びすぎによって、
- DNA損傷
- 免疫機能の低下
- 脱水・疲労感の悪化
など、全身に波及する「微細な炎症」が起こります。これらは単なる「肌の色」の問題ではなく、体調・回復・パフォーマンスそのものを蝕む要因となるのです。

🧠 実は「皮膚」もパフォーマンスの一部
運動において「筋肉」や「関節」は重視されますが、意外と見落とされているのが皮膚=身体の一番外側のセンサーです。
- 発汗や体温調節
- 摩擦への抵抗力(マメ・擦れ)
- 筋膜と連動した動作の滑らかさ
- 触覚センサーとしての役割
つまり皮膚は、「動きの滑らかさ」や「体の冷却機能」を担う重要な器官。紫外線によって皮膚が炎症を起こすと、これらの機能も鈍化し、結果として運動パフォーマンスが低下します。
🥵日焼けによるパフォーマンス低下の例
- ランニング後にいつもより疲れが抜けない
- 自転車やトレランで腕や肩にひりつき→フォームが崩れる
- 翌日になってもだるさ・集中力低下が続く
これらは紫外線による慢性疲労・皮膚炎症・脱水傾向が背景にあるかもしれません。
🧴日焼け止めって、本当に効くの?
答えは「YES」。正しく使えば、かなりの紫外線をカットでき、皮膚の炎症予防に有効です。
✅ 使用時のポイント | 内容 |
---|---|
SPF | 「UVB」に対する防御力(炎症防止) |
PA | 「UVA」に対する防御力(老化防止) |
塗る量 | 顔ならパール2個分/腕1本に指1本分が目安 |
再塗布 | 汗をかいたら2〜3時間おきに再塗布を推奨 |
💡市販のウォータープルーフタイプをスポーツ前に使用し、終了後はすぐ洗い流すことで肌負担も軽減できます。
🧥ウェアで「焼かない工夫」も取り入れよう
- アームカバー/レッグカバー
- UVカット素材のウェア(通気性の高いもの)
- サンバイザーやキャップ+ネックガード
- サングラス(眼からの紫外線も体調に影響)
🌿特に長時間屋外にいるランナー・トライアスリート・サイクリストには必須装備!
🧊日焼けしてしまった後のケアも重要(体験記を含む)
うっかり焼けてしまったら、以下のような対処が重要です。
- 冷やす(氷水・冷却シート)
- 保湿(アロエジェル・ヒルドイドなど)
- 激を避ける(こすらない・熱い風呂は避ける)
- 場合によって皮膚科受診を検討
🧼「焼けたあとの肌」は傷ついたバリア。菌や紫外線に弱くなっている状態です。
📝筆者の体験:日焼けの痛みでトレーニングどころじゃない
私はかつて、冬に沖縄やタイで合宿した際、「冬だから大丈夫だろう」と油断して日焼け止めを塗らずに自転車で1日中走り続けました。
その結果、翌日には皮膚がヒリヒリと焼けるように痛み、まるで軽い火傷。身体を動かすだけでも苦痛で、予定していたトレーニングの質が大きく下がってしまいました。
以降は、肌が日射に慣れていない時期こそ、日焼け止めを欠かさないように心がけています。
🕶️目も焼ける!?「眼球日焼け」という落とし穴
日焼けは肌だけの問題ではありません。目(角膜)もまた紫外線に非常に弱いのです。
実際、私はスペインで開催されたトライアスロン世界選手権大会の際、サングラスを忘れてバイク・ランパートを素顔で走ることに。
競技後、目が焼けるように痛み、光を見るのもつらいという経験をしました。
これもまさに「眼球の日焼け」。正式には「紫外線角膜炎」と呼ばれ、屋外スポーツ選手には潜在的なリスクとなっています。
このように、「皮膚」も「眼」も感覚器としてパフォーマンスを支える重要な部位。
守るための装備は、単なる“おしゃれ”ではなく本気の備えです。

🔚まとめ|“焼けない戦略”もパフォーマンスのうち!
日焼け=炎症=回復を妨げる=パフォーマンス低下
この連鎖を断つには、意識と準備が欠かせません。
- 日焼け止めは“筋トレと同じくらい大事なルーティン”
- ウェア・装備で「物理バリア」
- 日焼け後は“回復スイッチ”として冷却+保湿
皮膚もまた、あなたの競技パートナー。守って、育てる価値ありです。
📚参考にしたい文献・資料
- 「日焼け止めの科学」/日本皮膚科学会ガイドライン
- スポーツ栄養学テキスト第3章「皮膚の役割」
- UV Exposure and Athletic Performance(Journal of Sports Science)
執筆:だーわー(からだのカレッジ「研究ゼミ」)
運動と体を“対話”するように扱うことを大切にし、日々の気づきを発信中。