💓その運動、効いてる?──“心拍”を使って運動強度を見える化しよう
〜感覚まかせから卒業!心と体にちょうどいいトレーニングを知るために〜
🫀「がんばってるのに成果が出ない…」その理由、心拍でわかるかも?
運動をがんばっているのに、
- 体重が減らない
- 疲れるばかりで効果が感じられない
- 続けるのがつらくなってきた…
そんな経験、ありませんか?
実はその原因、「運動強度」があなたに合っていない可能性があります。
そして、その強度を知るカギが心拍数。
心拍を知ることで、あなたの体が今どんな状態か、どんなトレーニングが合っているかがはっきり見えてくるのです。
📈“感覚まかせ”の運動が引き起こす落とし穴
「今日は疲れたから、いい運動だったはず」
「汗をかいた=脂肪燃焼成功!」
つい、そんなふうに判断していませんか?
でも、実は疲れた=効いたとは限りません。むしろ、
- 強度が高すぎて疲労が蓄積している
- 軽すぎて効果が出ていない
…というケースも多いのです。
ここで役立つのが心拍数。
心拍数は体の中のリアルな“運動反応”を反映してくれる、最高のバロメーターです。
⌚心拍計は“体のダッシュボード”!
近年のスマートウォッチや心拍計は、ただのガジェットではありません。
体と対話するための必須ツールです。
心拍計が教えてくれること
- 今の運動が「キツすぎる/足りない」か
- 「脂肪燃焼」「心肺強化」どちらに効いているか
- オーバートレーニングや疲労の兆候
- 回復の度合いやコンディションの把握
これらを感覚だけで見極めるのは至難の業。
でも、心拍を“見える化”するだけで、運動の質が劇的に変わります。
📊まず知ろう!3つの基本心拍数
① 安静時心拍数(RHR:Resting Heart Rate)
起床直後など、リラックスしているときの心拍。
通常は60〜70拍/分前後。低いほど心肺機能が高いとされます。
▶ 「普段の体調管理」に使える!
② 最大心拍数(MHR:Maximum Heart Rate)
「これ以上は出せない!」という限界心拍。
一般的には【220−年齢】でざっくり算出。
例:40歳なら「220−40=180拍/分」
▶ 「運動強度の基準」に使う!
③ 運動中の心拍数(Exercise HR)
まさに今、体がどれだけ頑張っているかを表す数値。
この数値が最大心拍数の何%に当たるかで、運動の“ゾーン”が決まります。
🏁心拍ゾーンとは?|“効き方”が変わる5つのステージ
ゾーン | 強度感 | 心拍の目安 | 主な効果 |
---|---|---|---|
ゾーン1 | 非常に軽い | ~50〜60% | 回復、ウォームアップ |
ゾーン2 | 軽い | 60〜70% | 脂肪燃焼、持久力アップ |
ゾーン3 | 中程度 | 70〜80% | 心肺強化、有酸素能力UP |
ゾーン4 | ややキツい | 80〜90% | 無酸素領域、乳酸耐性UP |
ゾーン5 | 全力に近い | 90〜100% | スプリント・HIIT |
🧘♀️「キツくないのに効いてる」ゾーン2のススメ
よく「がんばって走らなきゃ」と思いがちですが、
実はゾーン2(軽い運動)こそが、最も万能で持続可能な運動ゾーン。
- 脂肪を効率よく燃やす
- ミトコンドリアが増えて代謝が上がる
- 心臓にやさしく、ケガリスクも低い
- 回復期や初心者にも最適
「こんな軽くていいの?」と思うくらいでOK。
次回の記事ではこのゾーン2を深掘りします!
🧠強度を知ることの5つのメリット
- 目的に合った“効く運動”が選べる
- ケガや疲労を防ぎ、健康的に続けられる
- 回復すべきタイミングがわかる
- 数値で成長が見える=モチベが続く
- 感覚とズレないトレーニングができる
⚠️感覚に頼りすぎると危険も…
「まだいける!」と無理を重ねると、自律神経が乱れたり、慢性疲労の原因に。
逆に「今日は調子悪いからやめよう」と思っても、実は心拍が整っていて絶好の運動日だった…ということも。
心拍数を見れば、客観的に判断ができます。
“がんばらない勇気”も、“やるべきときにやれる判断”も、すべては心拍次第。
📝今日からできる!心拍活用のファーストステップ

1. スマートウォッチを準備しよう
Apple Watch、Garmin、Fitbitなど、最近は手軽に心拍が測れる機器が多数。
2. 運動中の心拍を見てみよう
ウォーキングでも「ゾーン2」に入っていれば脂肪燃焼に効果的!
3. 翌朝の安静時心拍を記録しよう
回復状態の目安として、朝の心拍数はとても重要です。
💡 運動日誌 or アプリで記録を続けると、「体調の波」が見えてきます。
📎まとめ|心拍で“体と対話する”習慣を
心拍数は、体の状態を映し出す“体内のナビゲーター”。
今の運動が効いているのか、やりすぎているのか──
それを感覚だけでなく、数字で確かめる時代です。
次回は、脂肪燃焼や持久力向上に効く「ゾーン2トレーニング」について、さらに詳しく解説します。
🔁 次に読むおすすめ
- 🧘♀️ 脂肪が燃える?ゾーン2の秘密(第2回)
- 📲 ガーミン・Apple Watch活用法(第3回)
📚参考文献・出典
- American College of Sports Medicine. Guidelines for Exercise Testing and Prescription.
- Tanaka H, Monahan KD, Seals DR. Age-predicted maximal heart rate revisited. J Am Coll Cardiol. 2001;37(1):153–156.
- 日本体力医学会 編『健康・体力づくりのための運動指針(改訂版)』