寒くなってくると、運動を始めるまでに身体がなかなか動かないと感じることがあります。
夏や秋ならすぐに走り出せたのに、冬は脚が重い。キックボクシングでシャドーをしても身体が硬い。筋トレを始めても、最初の数セットは動きがぎこちない。
そんな日は、
「いつもよりウォームアップを長くした方がいいのか」
「ストレッチをしっかりやればいいのか」
「何分くらい身体を温めれば本練習に入っていいのか」
と迷う人も多いと思います。
40代・50代で運動を続けている人ほど、「若い頃と同じように、いきなり動き始めるのは少し不安」と感じることもあるでしょう。
ただ、寒い日のウォームアップは、単純に「いつもより10分長くする」と考える必要はありません。
大切なのは、身体を段階的に動かしながら、その日の反応を確認して強度を上げていくことです。
2026年に公表されたウォームアップに関する国際的な専門家コンセンサスでも、ウォームアップは単に身体を温める時間ではなく、トレーニングや競技に向けて身体の準備状態を整える、構造化された準備として整理されています。また、内容は競技や個人、その日の状況に応じて変わり、ウォームアップ中に準備状態や疲労を確認することも重要とされています。
参考:ウォームアップに関する国際的な専門家コンセンサス(PubMed)
この記事では、ランニング、キックボクシング、筋力トレーニングを続けている40代・50代に向けて、寒い日のウォームアップをどう変えればよいのかを考えていきます。
この記事の基本
「何分やれば終わり」ではなく、
・硬さは取れてきたか
・思った通りに身体を動かせているか
・呼吸や心拍の感覚はいつも通りか
を順番に確認していきます。
- 寒い日は「ウォームアップを長くする」だけで考えない
- 寒い日のウォームアップは4段階で進める
- 「何分やったか」より身体の反応を確認する
- 寒い日のランニングは、走り始めのペースを急がない
- キックボクシングは「シャドー→サンドバッグ」で段階を上げる
- 筋力トレーニングは最初のセットもウォームアップに使う
- 寒い日は静的ストレッチを長くした方がいい?
- 朝の運動と夜の運動で準備時間は変わる?
- ウォームアップは「今日運動していいか」を確認する時間でもある
- 40代・50代は若い人より長くウォームアップするべき?
- 寒い日の服装は「途中で調整できる」ようにする
- ウォームアップしても調子が上がらない日は無理に続けない
- 寒い日のウォームアップは「時間」より「段階」で考える
寒い日は「ウォームアップを長くする」だけで考えない
寒い日に身体が動きにくいと、「とにかく長くウォームアップすればいい」と考えがちです。
もちろん、暖かい時期より準備に時間がかかる日はあります。
しかし、重要なのは時間そのものではありません。
身体を動かしてもまだ硬さが強く残っているのに、時計を見て「10分経ったから大丈夫」と通常の強度へ上げるのは、あまり合理的ではありません。
反対に、気温は低くても、室内で身体を動かしていた、移動で歩いてきた、すでに軽く身体を動かしていたなど、その日の状況によっては比較的早く動きやすくなることもあります。
つまり、寒さへの反応には個人差やその日の違いがあります。
寒冷環境では筋温の低下などが運動パフォーマンスに影響することが知られていますが、その程度には運動強度や寒さへの曝露時間、体格、体力、順化など複数の条件が関係します。
特に、筋温と関係が深いと考えられているのが、素早く力を出すような動きです。
2025年のシステマティックレビュー・メタ解析では、筋温の上昇は最大筋力そのものよりも、素早い力発揮やパワーなど、速度に関係する筋機能と強く関連していました。
参考:筋温と筋機能に関するシステマティックレビュー・メタ解析(PubMed)
私自身も寒い日は、「力がまったく出ない」というより、全身が硬直したような感覚になり、スピードのある動作へ入りにくいと感じます。
特に、ふくらはぎ、ハムストリングス、広背筋あたりで動きにくさを感じることがあり、キックボクシングでは「動こうと思ったスピードに身体がついてこない」という感覚が出ることがあります。
ただし、これはあくまで私自身の感覚です。
「寒い=筋肉が硬くなる=必ず怪我をする」と単純に結びつける必要はありません。
ウォームアップの目的は、「怪我を絶対に防ぐこと」ではなく、その日に行う運動へ身体を段階的に近づけていくことだと考えた方が分かりやすいでしょう。
寒い日のウォームアップは4段階で進める
では、実際に何をすればよいのでしょうか。
この記事では、寒い日のウォームアップを大きく4段階に分けて考えます。
重要なのは、4つのメニューを機械的にこなすことではありません。
ひとつ進むたびに身体の反応を確認し、問題が少なければ次へ進む。
この考え方が中心です。

STEP1 まずは全身を動かす
寒い状態から、いきなり大きな可動域や速い動きを求める必要はありません。
最初は、全身をゆっくり動かし始めます。
軽く歩く、足踏みをする、腕を動かす、体幹を回すなど、負担の小さい動きから始めて構いません。
ここでの目的は、「息を上げること」でも「汗をかくこと」でもありません。
まずは、「今日はどのあたりが動きにくいか」を確認する時間です。
私の場合は、ストレッチに入る前後で、ふくらはぎやハムストリングス、背中などの硬さを確認します。
寒い日でも毎回同じ場所が硬いとは限りません。
脚は問題ないのに背中が動きにくい日もあれば、全身的に重く感じる日もあります。
最初から「今日は寒いから脚を重点的に」と決めつけるより、実際に動かしてみた感覚を確認する方が、その日の身体には合わせやすくなります。
STEP2 関節を少しずつ大きく動かす
身体を動かし始めたら、次は関節の動きを少しずつ大きくしていきます。
股関節、足首、肩、胸椎など、その後の運動でよく使う部分を中心に動かします。
この段階でも、いきなり最大の可動域まで動かす必要はありません。
最初は小さく、動きが滑らかになってきたら徐々に大きくします。
私自身は、座った状態で下半身の大きな筋肉を動かすところから始め、上半身へ移り、最後に立位で回旋系の動きを入れることが多くあります。
同じ姿勢を長く止めておくというより、動きを止めず、その中で強弱や可動域を変えていく方法です。
ここで確認したいのは、「硬いかどうか」だけではなく、「さっきより動きやすくなっているか」です。
ウォームアップ開始時に硬さを感じても、徐々に動きやすくなっているなら、そのまま次の段階へ進めます。
反対に、動かすほど痛みが強くなる場合は、「まだ温まっていないだけ」と決めつけない方がよいでしょう。
STEP3 動的な動きを入れる
次は、実際の運動に近づけるために、動きを伴うウォームアップへ移ります。
たとえばランニングであれば、脚の振りや軽いステップ。
キックボクシングなら、体幹の回旋や軽いパンチ、キックにつながる動作。
筋力トレーニングなら、自重スクワットなど、これから使う筋肉を実際に動かす方法があります。
動的ストレッチについては、可動域を一時的に広げる効果が確認されており、運動前の準備として利用しやすい方法のひとつです。
ただし、「この動きを10回やれば終わり」とは考えません。
たとえば最初の5回は小さく動き、少し動きやすくなったら速度や可動域を上げるなど、その日の身体に合わせます。
寒い日のウォームアップで重要なのは、メニューの数を増やすことよりも、同じ動きの中で徐々に強度を変えていくことです。
STEP4 最後は実際の運動に近い動きで確認する
ウォームアップの最後は、その日に行う運動そのものへ近づけていきます。
ランニングならゆっくりしたジョギング。
キックボクシングならシャドーボクシングからサンドバッグ。
筋力トレーニングなら、軽い負荷や余裕のあるセット。
ここで初めて、「今日は通常の強度へ上げても大丈夫そうか」を確認します。
寒い日に大切なのは、ストレッチを終えた瞬間を「ウォームアップ終了」にしないことです。
最終的には、実際にこれから行う動きができるかどうかまで確認してから、本格的な強度へ進みます。
「何分やったか」より身体の反応を確認する
寒い日に最も迷いやすいのが、「ウォームアップは何分やればいいのか」という点です。
しかし、この記事では固定した時間を基準にはしません。
たとえば15分と決めても、15分後にまだ全身が硬く、普段の動きができていなければ、その日の準備として十分とは言いにくいでしょう。
反対に、時間だけを延ばし続け、ウォームアップの段階で疲労してしまうのも目的から外れます。
そこで私は、大きく3つの順番で確認しています。
最初に見るのが身体の硬直感です。
次に見るのが、自分がやろうとしている動きと、実際の身体の動きが一致しているか。
最後に、呼吸、心拍の感覚、全身の調子を確認します。
全部を一度に判定するのではなく、ウォームアップの進行に合わせて順番に確認していきます。

「思った通りに動けるか」は重要なチェックポイント
この中でも、私が特に分かりやすいと感じているのが、「自分の感覚と実際の動きが合っているか」です。
キックボクシングでサンドバッグを打つと、その違いがよく分かります。
強く打ったつもりなのに、思ったほど威力が出ない。
狙った場所にうまく当たらない。
スピードを上げたつもりなのに、身体が遅れている。
こうした日は、無理に「もっと強く打てば身体が温まる」とは考えません。
まずは、その強度で何度か動き、身体の感覚と実際の動作が合ってくるかを確認します。
そして自然に一致してきたところで、少しずつ強度を上げていきます。
これは研究で決められたウォームアップ終了基準ではなく、私自身が日常のトレーニングで使っている判断方法です。
ただ、「ウォームアップ中に準備状態を確認する」という考え方自体は、現在のウォームアップ研究とも方向性が一致しています。
汗をかいたらウォームアップ終了、ではない
冬でも、動き始めれば汗をかくことがあります。
しかし、汗をかいたからといって、すぐに高強度の運動へ移れるとは限りません。
汗の量は気温、服装、運動強度、体質などでも変わります。
「汗をかいたか」ではなく、
- 動きは滑らかか
- 呼吸は落ち着いているか
- いつもの動作を無理なく行えるか
このような反応を合わせて見た方が、実際のトレーニングにはつなげやすくなります。
ウォームアップで多少疲れてもいい?
ウォームアップは、まったく疲れないほど軽くする必要もありません。
私の場合、少し息が上がったり軽い疲労感が出たりしても、短時間で戻る範囲であれば、その後の運動へつながりやすいと感じています。
ただし、これは「疲れるほどウォームアップした方が効果的」という意味ではありません。
ウォームアップ後も息が戻らない、脚が重くなる、集中力が落ちるといった状態なら、準備の段階で負荷をかけすぎている可能性があります。
ウォームアップは本練習そのものではありません。
動ける身体をつくるために疲れ切ってしまわないことも大切です。
寒い日のランニングは、走り始めのペースを急がない
ランニングでは、ウォームアップを終えた直後に普段の巡航ペースへ入らないようにします。
寒い日は特に、「最初の1kmからいつものペース」ではなく、走り始めそのものもウォームアップの続きとして考えると調整しやすくなります。
日本スポーツ協会の公認スポーツ指導者による冬季ランニングの解説でも、ウォームアップ後の走り始めはジョギング程度から入り、徐々にペースを上げる方法が紹介されています。
私の場合も、最初からGarminのペース表示に合わせて上げるわけではありません。
少し走りながら、
- 呼吸は余裕があるか
- 心拍が上がっている感覚はいつもと大きく違わないか
- 脚が前へ自然に出るか
を見ます。
そこで「今日は上げられそうだ」と感じれば、徐々に通常のペースへ近づけます。
Garminの心拍数は「補助」として見る
ウォームアップ中の心拍数を見ること自体は役立ちます。
ただし、「心拍数が120になったらウォームアップ終了」のような固定基準にはしません。
同じ人でも、その日の睡眠、疲労、気温、体調などによって心拍の反応は変わります。
私はGarminを使っていますが、数値だけで判断するのではなく、呼吸や動き、自分の感覚と合わせて確認しています。
特に寒い日の心拍数や、手首式心拍計が寒さの中でどう反応するかについては、このテーマだけでかなり内容が広がります。
そのため詳しくは、今後の「冬のランニングで心拍数はどう変わる?」の記事で扱う予定です。
⌚ 心拍や運動記録を普段と比較したい人へ
Garminは「今日は運動してよい」と決めてもらう道具ではありません。普段の心拍や運動記録との違いを確認する補助ツールとして活用できます。
キックボクシングは「シャドー→サンドバッグ」で段階を上げる
キックボクシングは、ランニング以上に動作の種類が多い運動です。
パンチ、キック、ステップ、回旋、重心移動などを短時間で組み合わせるため、寒い状態からいきなり最大スピードや強い打撃へ入るのは避けています。
私の場合は、動的なストレッチを行ったあと、
シャドーボクシング → サンドバッグ
という順番で強度を上げます。
シャドーでは「スピード感」を合わせる
シャドーボクシングでは、最初から全力で動きません。
パンチやキックを軽く出しながら、身体の回旋、脚との連動、動作のスピードを確認します。
ここで大切なのは、見栄えの良いフォームを作ることではありません。
「頭の中で思っているスピード」と「実際に動いている身体」が合っているかを見ます。
寒い日は、速く動こうとすると上半身だけが先に動いたり、脚が遅れたりすることがあります。
そういう日は、少し強度を落としたまま何度か動かします。
動きが自然につながってきたところで、初めてスピードを上げます。
サンドバッグでは威力とコントロールを確認する
シャドーで動きが合ってきたら、次にサンドバッグを使います。
ここでは実際に対象物へ力を伝えるため、シャドーよりも身体の状態が分かりやすくなります。
私が見るのは、
- 狙った位置へ当たるか
- 打った感覚と実際の威力が合っているか
です。
強く打ったつもりなのにバッグが動かない。
いつもより打点がずれる。
蹴ったときに身体が流れる。
こうした状態なら、まだ高い強度へ上げません。
寒いからといって、強打を繰り返して無理やり身体を温めるのではなく、まずは精度が戻ってくるかを確認します。
高い強度を出せることより、高い強度をコントロールできる状態になっているかを見るイメージです。
筋力トレーニングは最初のセットもウォームアップに使う
筋力トレーニングでも基本的な考え方は同じです。
いきなり通常の重量や難しい自重トレーニングから始めず、動作の確認を兼ねた軽いセットから入ります。
私の場合、筋力トレーニングはキックボクシングの最後に行うことが多いため、その時点ではすでに身体が動いています。
一方、筋トレだけを行う日は、大きな筋群や下半身を使う動きから始めることが多くあります。
また、私は重い重量を追いかけるトレーニングより、自重トレーニングを取り入れることが多いため、負荷の調整は重量だけではありません。
- 身体の角度を変える
- 可動域を小さくする
- スピードを落とす
- 回数を少なくする
こうした方法でも、その日の状態に合わせて負荷を調整できます。
寒い日に限らず、最初のセットでフォームがいつもと違う場合は、「身体が温まれば何とかなる」とすぐに重量を上げず、もう一段軽い動きで確認する方法もあります。

寒い日は静的ストレッチを長くした方がいい?
冬になると、「身体が硬いから、運動前は長くストレッチした方がいいのでは?」と考える人もいるでしょう。
ここで区別したいのが、静的ストレッチと動的ストレッチです。
静的ストレッチは、筋肉を伸ばした姿勢で一定時間止まる方法。
動的ストレッチは、身体を動かしながら可動域を使っていく方法です。
「運動前の静的ストレッチは悪い」と一律には言えない
以前は、「運動前に静的ストレッチをするとパフォーマンスが落ちる」という説明を見かけることがありました。
しかし、現在はもう少し条件を分けて考える必要があります。
2024年のシステマティックレビュー・メタ解析では、1つの筋群を60秒以上伸ばすような長めの静的ストレッチでは、単一筋群の最大筋力テストで小さな低下が確認されました。
一方、ジャンプやスプリントなど実際の運動パフォーマンス全般が悪くなるとは確認されず、「運動前の静的ストレッチをすべて避けるべき」という結論にはなっていません。
参考:静的ストレッチと運動パフォーマンスに関するレビュー(PubMed)
また、2026年に公表されたレビューでも、静的ストレッチは柔軟性向上に役立つ一方、長さや方法によってはパフォーマンスへの小さなマイナスが示唆されています。ただし、研究の質にはばらつきがあり、単純なルールへ落とし込むには注意が必要です。
参考:ストレッチ方法に関するシステマティックレビュー(PubMed)
そのため、寒いからといって静的ストレッチだけを長時間行うより、
身体を動かす → 関節を動かす → 動的な動き → 種目に近い動き
という流れの中で準備する方が、この記事の目的には合っています。
一方で、静的ストレッチそのものを「やってはいけない」とする必要もありません。
必要な部位へ短く取り入れる、柔軟性改善を別の時間に行うなど、目的に合わせて使い分ければよいでしょう。
私自身は、運動前には動きを伴うストレッチを中心にし、運動後のクールダウンでは静的ストレッチも積極的に使っています。
ただし、「運動後に静的ストレッチをすれば疲労回復が早くなる」「怪我を防げる」とまでは断定しません。
朝の運動と夜の運動で準備時間は変わる?
同じ冬でも、朝と夜で身体の感覚が違う人はいると思います。
私の場合は、朝の方が明らかに動きにくく感じます。
身体の硬さだけでなく、運動を始めると心拍が上がりやすいように感じたり、息が上がりやすかったりすることもあります。
反対に夜は、日中に歩いたり身体を動かしたりしているため、ランニングへ入りやすく感じます。
ただし、これは私自身の経験です。
「朝の運動は危険」「朝は必ず20分ウォームアップが必要」という意味ではありません。
むしろ朝だからこそ、いつもの時間ではなく、今日の身体がどこまで動いているかを確認することが大切です。
日中に十分動いている夜でも、睡眠不足や仕事の疲労が強ければ、身体が動かないことはあります。
時間帯だけで判断しないことが重要です。
ウォームアップは「今日運動していいか」を確認する時間でもある
ここまで寒い日のウォームアップについて説明してきましたが、身体が動かない理由は寒さだけとは限りません。
ここは非常に重要です。
寒い日に脚が重いと、「今日は寒いから身体が動かない」と考えてしまいがちです。
しかし実際には、前日の運動による疲労、睡眠不足、筋肉痛、体調不良などが重なっている可能性もあります。
そのため私は、ウォームアップを単なる準備運動ではなく、「今日、この強度で運動してよいかを確認する時間」としても使っています。
動いてもだるさや眠気が変わらない日は注意する
私の場合、運動前に少し身体が重い程度なら、まずウォームアップを始めます。
身体を動かしているうちに目が覚め、動きも良くなるなら、その日の状態を見ながら通常のトレーニングへ近づけます。
一方で、身体を動かしても強いだるさや眠気が変わらない場合は、強度を落とすか、その日は中止します。
これは「血流を良くすれば疲労が取れる」という意味ではありません。
ウォームアップによって状態がどう変化するのか、それとも不調感が残り続けるのかを見ています。
いつもより呼吸が苦しい場合も「寒さだけ」と決めつけない
動きは悪くなくても、「今日は妙に息が上がる」「休んでも呼吸が戻るのが遅い」という日があります。
こうしたときも、すぐに通常強度へ上げません。
💤 寝不足の日の運動判断を詳しく確認する
🚦 疲労が続いているときはこちら
💪 筋肉痛や痛みがある場合はこちら
寒い日のウォームアップ記事と、これらの記事は別々のテーマに見えますが、実際の運動ではつながっています。
寒いから動きにくいのか。疲労しているから動きにくいのか。睡眠不足なのか。痛みがあるのか。
ひとつの原因に決めつけず、ウォームアップの中で確認していくことが大切です。

40代・50代は若い人より長くウォームアップするべき?
「40代・50代になったら、若い人よりウォームアップを長くするべき」という説明も見かけます。
しかし、40代・50代という年齢だけを理由に、「必ず○分長くすべき」と一律に決めることはできません。
身体の状態は年齢だけで決まるものではありません。
- これまでの運動歴
- 普段の活動量
- 柔軟性や筋力
- 睡眠
- 疲労
- 過去の怪我
- 寒さへの慣れ
などによっても変わります。
そのためこの記事では、「50代だから身体が硬い」とは考えません。
一方、私自身は若い頃よりも身体の準備に時間を使うようになりました。
その理由は「50代になったら必ず身体能力が落ちるから」という単純なものではありません。
これまで運動による怪我を経験し、怪我をしたあとの回復に以前より時間がかかったと感じた経験があるためです。
今は「今日はどこまでできるか」を確認してから上げることを重視しています。
運動を長く続けたい40代・50代にとっては、
「まだできるか」だけではなく、「明日も運動を続けられる範囲か」という視点も大切になってきます。
寒い日の服装は「途中で調整できる」ようにする
寒い日のウォームアップでは、服装も無関係ではありません。
ただし、この記事ではウェア選びを主役にはしません。
基本的には、運動前から身体を冷やしすぎず、運動中に暑くなったら調整できる服装が使いやすいと考えています。
私が冬にランニングするときは、上半身を重ね着して、途中で1枚脱げるようにしています。
走って身体が熱くなったら脱ぐ。
走り終えて寒くなってきたら再び着る。
この方法なら、走っている間だけでなく、運動前後も調整できます。
「最初から薄着で出て、走れば温まるから我慢する」必要はありません。
一方で、厚着をしすぎて大量に汗をかけばよいというわけでもありません。
運動中に暑くなりすぎず、終了後に身体を冷やしすぎない。
その日の気温や風、自分の体感に合わせて脱ぎ着できることを重視すると実践しやすいでしょう。
冬用ランニングウェアについては、今後の記事で詳しく扱う予定です。
ウォームアップしても調子が上がらない日は無理に続けない
寒い日に少し動きにくいからといって、すぐ運動を中止する必要はありません。
動かしていくうちに硬さが取れ、動きや呼吸がいつも通りへ近づいているなら、そのまま段階的に強度を上げることはできます。
一方で、「寒いんだから仕方ない」とすべてを寒さのせいにするのも避けたいところです。
少し様子を見ながら進められる状態
運動開始時に少し身体が硬い。
動きが小さい。
普段よりスピードが出しづらい。
こうした状態でも、ウォームアップを続けるにつれて少しずつ改善しているなら、急いで本練習へ入らず、そのまま段階的に準備を続けます。
強度を下げる、またはその日はやめる状態
一方で、動いても強いだるさが変わらない。
いつもより明らかに呼吸が苦しい。
フォームが崩れたまま戻らない。
痛みが強くなる。
こうした場合は、予定していた運動をそのまま続けることにこだわらない方がよいでしょう。
ウォームアップは、「何が何でも本練習へ進むための儀式」ではありません。
ウォームアップをした結果、「今日は強度を落とした方がよい」と分かることも、重要な判断です。
こんな症状は「寒さのせい」と決めつけない
運動中に胸の痛み、強い動悸、めまいやふらつき、普段と違う強い疲労、強い筋肉・関節の痛み、冷や汗などの異変が出た場合は、運動を続けないことが大切です。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、運動中に体調の異変を感じた場合には無理をしないことが示されています。
参考:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
失神、強い息苦しさ、急激な体調悪化など明らかな異常がある場合も、「もう少しウォームアップすれば治る」と運動を続けないようにしてください。
必要に応じて医療機関への相談を検討します。
また、冬のランニングでは、冷たく乾燥した空気の中で運動すると、咳、喘鳴、胸の苦しさなどが出る人もいます。
冷たく乾燥した空気は、運動誘発性気管支収縮などの気道症状に関係する場合があります。
参考:冷たく乾燥した空気と運動時の気道反応に関する報告(PubMed)
ただし、咳が出たからといって、自分で原因を診断することはできません。
繰り返し症状が出る、呼吸が明らかに苦しいなどの場合は、「冬だから仕方ない」と済ませず、医療機関へ相談してください。

寒い日のウォームアップは「時間」より「段階」で考える
寒い日の運動では、「いつもより何分長くやるか」に目が向きやすくなります。
しかし、本当に見たいのは時計ではありません。
最初は身体の硬さを確認する。
次に、関節や大きな筋肉を動かす。
動的な動作へ進む。
そしてランニング、シャドーボクシング、サンドバッグ、軽い筋トレなど、実際の運動へ近づける。
その途中で、
- 硬直感が減ってきたか
- イメージした通りに身体を動かせるか
- 呼吸や心拍の感覚に違和感はないか
を確認します。
問題が少なければ、少しずつ通常の強度へ上げます。
逆に、身体を動かしてもだるさや眠気、呼吸の苦しさ、痛みなどが残るなら、「寒いからまだウォームアップが足りない」と決めつけず、その日の運動そのものを見直します。
私自身、若い頃より準備に時間を使うようになりました。
ただ、「50代だから長くウォームアップしなければならない」と考えているわけではありません。
怪我をして運動できない期間を経験すると、1回のトレーニングを無理に成立させることより、継続して運動できることの方が大切だと感じるようになったからです。
寒い日のウォームアップも同じです。
決められたメニューを終えることが目的ではありません。
その日の身体が、これから行う運動の準備をできているか確認する。
寒い日のウォームアップは、そのための時間として考えてみてください。
🌿 「今日は軽くする・休む」と決めた人へ
休養日も「何もしないか、軽く動くか」の二択ではありません。その日の状態に合わせた休み方を整理しています。

